中学生・高校生のMRワクチン開始

 この4月から5年間、MR(麻疹風疹混合)ワクチンの定期接種が、中学1年生・高校3年生を対象として行われることになりました。

 当院では、感染防止の意味あいから、乳幼児のワクチン接種は、一般診療とは別に時間帯を定めて行なっています。しかしこの時間帯は乳幼児でいっぱいになってしまいますし、中学生・高校生は、かぜなど一般の感染症に対しては抵抗力が強い年齢でもありますから、一般の診療時間の中で接種することにしました。

 ワクチンの発注・入荷に多少時間がかかりますので、ご希望の日の3日前までにご予約ください。

どうして中学生・高校生も?

 4月に小学校2年生になった子どもたちからは、入学前にMRの第2期の接種が行われ、赤ちゃんの時と合わせて2回、はしか・風疹のワクチンを受けるようになっています。しかしそれより年長の子どもたちは、赤ちゃんのときに受けた1回だけ、何らかの理由でその時に受けていない人は、まったくはしかの免疫を持っていないことになります。

 昨年、高校生や大学生を中心に、はしかの免疫を持っていない人や、赤ちゃんの時のワクチンで得た免疫が時とともに下がってきてしまった人の間ではしかが流行する、ということがありました。このこともあり、年長の子どもでも、もう一度ワクチンを受ける機会をつくろう、ということになったのです。

 はしかは、免疫を持たない人がかかると、かなり重い病気です。特に、今まで一度もはしかのワクチンを受けたことのない方は、ぜひこの機会に接種されることをお勧めします。

ところで、はしかって

● どんな病気?

 はしかの特徴は、

  ・熱が高く(38〜39℃台)、長く続く

  ・せきやはなみずがひどい

  ・伝染する力がとても強い

ということです。

 かぜのような症状ではじまりますが、だんだん熱も高く、はなみずも咳もひどくなり、目やにも出てきます。3〜4日めくらいにいったん熱が低くなった後、再度高熱になるともに、赤い発疹が、耳の後ろや首のあたりから出始め、顔、からだ、手足へとひろがっていきます。発疹は4〜5日たつと色あせて紫色〜茶色になり、このころになると熱も下がります。

 つまり、熱だけでも1週間〜10日続くうえ、咳もひどく、ふだん元気な子どもでも、相当に体力を消耗します。中耳炎や肺炎・脳炎を合併することもあります。はしかによる肺炎や脳炎は、たいへん重い病気です。

 またはしかは空気感染で、同じ部屋にいるだけでうつるくらい強い感染力を持っています。不顕性感染(感染しても症状が出ない)もほとんどなく、人から人へとどんどんうつっていきます。

● くすりはないの?

 はしかはウイルスによる病気なので、特別なくすりはありません。病気を起こす微生物の中でも、細菌は、抗生物質で殺したり、増えるのを食い止めることができますが、ウイルスは、ずっと小さく構造も単純なので、有効なくすりをつくるのは非常に難しいのです。そのため、「抗ウイルス薬」は、今でも、ごく一部のウイルスに対するものしかありません。身近な病気では、水ぼうそうとインフルエンザで、ウイルスが増えるのを抑えるくすりが使われるようになってきた程度です。

● 予防接種をしていてもかかるのは?

 予防接種をしているのにかかってしまった、という人には、二通りあります。

  ・ワクチンをうっても十分な免疫が得られなかった

  ・ワクチンをうってから時間がたって、免疫が弱くなってしまった

 このうち多いのは二番目だと考えられます。かつては、周期的にはしかが流行して、はしかのウイルスと接するたびに免疫が更新されていたのですが、はしかがめったに流行らなくなり、免疫が更新されないまましだいに低下してしまうということが起きています。ワクチンの効果そのものは高いのだけれど、長持ちしなくなっているのですね。

 もっとも、このような人の症状は、ふつうはあまり典型的でなく、軽いものになります。ですから、まったく効果がなくなっている、ということではありません。

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