Q.夜、急に高熱が出た。救急病院に行くべき?

A.必ずしも救急受診すべきとは言えません。

熱が急に上がるとびっくりするし、重い病気?と心配になるもの。でも、熱の高さイコール病気の重さ、とは言えません。

ほとんどの赤ちゃんがかかる突発性発疹など、ごく軽い病気ですが熱は40℃前後まで上がる子がいます。夏によく流行するヘルパンギーナも、急に高い熱が出るのがふつう。

つまり、ありふれた軽い病気でも高い熱は出るものなのです。

また、熱が出てすぐに受診しても、診断がつかないことが多いのです。熱にともなってどういう症状があるか、熱の経過はどうか、が診断には大切ですし、それにはむしろ熱が出て少したってからのほうが有利。

インフルエンザをはじめとして、その場でできる迅速検査にしても、発熱直後にすぐに陽性になることはまれですから、役に立たない。

「熱が高くなった」だけで、他の症状や様子が日中とあまり変わりがないならば、朝になってから受診すれば十分ですし、結果的には早道です。


Q.高い熱が続いている。頭に影響がありませんか?

A.熱だけで頭に悪影響が及ぶということはありません。

ここで「頭」と言っているのは頭の外側ではなくて中身、つまり脳のことですね。高熱が続くと脳がやられる、というのは広く残っている言い伝えのようです。しかし、熱そのものが脳に悪影響を及ぼすわけではありません。

では「脳がやられる」のはどんなときか?それは脳が傷つけられたときです。これは病気でもけがでも同じことです。

髄膜炎や脳炎で、脳に強い炎症が起きると、脳がひどく傷つけられて、後遺症として脳の障害が残ることがあります。このときはたしかに高い熱が続くのがふつうです(よほどひどいと逆に体温が下がりすぎる場合もありますが)が、脳を傷つけるのは高熱そのものではなく、脳の炎症なのです。

もちろん、こういう場合の症状は熱だけではなく、けいれんが起きたり、意識の状態がふつうでなくなるなど、他にいろいろな症状が出てきます。

熱が高くても、炎症が起きているのが頭の中でなければ、脳が傷つけられることはありませんから、脳がやられるなんてことはありません。

熱中症のように外側から無理やり熱せられて体温が42℃以上にもなってしまった場合は、あちこちに支障が出てきますが、これは別の問題ですね。


Q.解熱剤(熱さまし)は使うべき?

A.使わなければならない薬ではありません。

熱を下げる作用のあるくすり(解熱剤、解熱鎮痛剤)はいくつか種類があります。共通するのは、身体の中でつくられる「熱を上げる物質」のはたらきを妨げる作用がある、ということです。

熱が上がる勢いが強ければ、解熱剤の効果はあまり出ません。また、効果が切れてくればまた熱は上がります。つまり、あくまでも一時しのぎにしかなりません。

こどもには使わないほうがよいとされている解熱剤も、いくつもあります。これは作用が強すぎて体温が下がりすぎるとか、こどもに特有の「脳症」をおこす可能性があるとかいうものです。

体温が高めのほうが、病気とたたかう免疫のはたらきはよくなるという説もあるくらいで、病気を治すという点では、熱を下げることのメリットはあまりありません。治療の上では、使わねばならないくすりではない、と言えます。

熱が高くても、水分や食事がとれ、眠れるようならば、解熱剤で熱を下げる必要はまったくありません。熱のためにつらい、というようならば、その時だけ、安全とされている解熱剤を使うのがよいでしょう。


Q.熱でひきつける。解熱剤で熱を下げたほうがいい?

A.解熱剤はけいれんを予防する役には立ちません。

熱が上がるとひきつけをおこす、「熱性けいれん」はめずらしいものではありません。熱が上がるとまたひきつけるのではないか?という心配はわかりますが、解熱剤を使うことでけいれんを予防することはできない、というのがさまざまな調査での結論です。

解熱剤で熱が下がっても、効果が切れてくればまた熱は上がってきます。そのときにひきつけを起こす、というケースもあります。熱性けいれんは、熱が上がってくるときに起きやすいので、熱を上がり下がりさせるのはかえってひきつけをおこさせるようなものであり、ひきつけのあるこどもには解熱剤を使うべきでない、と主張する医師もいます。

ひきつけの予防を考えるなら、抗けいれん剤「ジアゼパム」の座薬(ダイアップという名前で使われています)を使うほうが効果にすぐれ、安全です。


Q.ひきつけどめの座薬はいつまで使うの?

A.しっかり使うなら6才ごろまでですが・・・。

かつては、熱性けいれんの予防は、何度もひきつけをくりかえす人や長いけいれんのあった人、脳波で何らかの異常が疑われる人などに限って、抗けいれん剤を毎日飲む、という方法がとられていました。

くすりを毎日飲むのはたいへんなことですし、少ないとはいえ副作用も注意しなければなりません。それだけに、限られた人に使われていたのですが、熱が出たときだけ座薬を使うという方法が確立されて、より多くのこどもにくすりが使われるようになりました。

熱性けいれんは、自然に様子を見ても、5〜6才過ぎればまず起こさなくなります。ですからけいれん予防のくすりもこれくらいの年齢になったらやめてよいわけですが、1才でひきつけて4〜5年も熱が出るたびに座薬を使うのもなかなかたいへん。あまり熱を出さなくなる3才すぎくらいから何となく使わなくなる人も多いようです。

ふだん元気な子で、今まで1回しかひきつけたことがないのであれば、一度やめてみるのも手です。熱でひきつけた人のうち、半分を少しこえるくらいの人は、何もしなくてもくり返さないからです。万一もう一度ひきつけがあったとしても、後遺症が残るなどのことはありません。


Q.ぜーぜーしている。ぜんそくなの?

A.くりかえしひどくなっているならぜんそくかも。

「ぜーぜーする」と言われるものには何種類かあります。

小さいころからぜーぜー・ごろごろ言っているけれど、ごきげんも良く、せきも出ず、夜もよく眠っている、という場合。これは、のどのあたりで痰がからんでいるだけ。少し大きくなればなくなってしまいます。

6ヶ月にならない小さい赤ちゃんでぜーぜーしてせきがひどい場合は、ぜんそくよりもむしろ「細気管支炎」の可能性をまず考えます。これはウイルス感染によっておきますが、かなり息苦しさがつよくなることがあり、入院しなければならないこともしばしばあります。

もう少し大きくなっても、かぜから気管支炎をおこして少しぜーぜーする、ということはありますが、だんだん減ってきます。

ぜーぜーしてせきがひどく、夜眠れない、目が覚める、などのことがくりかえし(たとえばかぜをひくたびに)おきるならば、ぜんそくかもしれません。


Q.アレルギー検査をしたほうがいい?

A.絶対必要、とはかぎりません。ケースバイケース。

親がアレルギー体質だから・・・こども自身にアレルギーを思わせる症状がなければ、あまり検査する意味はありません。

湿疹がある、アトピーかもしれない・・・あんまり小さい赤ちゃんでは、検査しても何も出ないことが多いので、お勧めはしません。よほど症状がひどい場合は、離乳食をはじめるころに検査してみるとか、離乳食を進めていくうちにひどくなってきたということなら、その時点で検査してみる、というほうが実際的だと思います。

ぜんそくかもしれない・・・ぜんそくらしいぜーぜーがくりかえしあって、アレルギー検査で陽性ならば、アレルギー体質にもとづくぜんそく、ということができます。ただし、明らかにぜんそくの症状でありながら、アレルギー検査では何も出ない、という人もいます。ぜんそくかどうかの診断のためには、あくまで参考資料のひとつだと考えたほうがいいでしょう。アレルギーの原因として、ダニやハウスダストはまずほとんどの人で陽性ですから、あえて調べることもないくらいですが、小動物などに近づくと調子が悪いようだ、というような場合は、検査である程度はっきりさせることはできます。


Q.下痢のときは、食べさせちゃいけないの?

A.基本的には、絶食の必要はありません。

下痢のときは絶食して水分だけ、治ってきたらお粥から・・・というのが、以前から(そういえばいつごろからなんだろう?)言われてきた看病の原則。ところが最近では、むしろ、腸の粘膜の機能回復のためには、長期間の絶食はかえってよくない、と考えられるようになってきました。

「脱水」と言われるような状態であれば、その治療が先決ですが、そのうえで「なるべく早めにいつもどおりの食事を再開する」ことが、欧米の小児科学会では勧められるようになっているのです。母乳はふつうに飲ませてよく、ミルクもうすめる必要はない、とされています。

下痢していても元気で食欲もある、というふうであれば、あえて絶食にすることもないようです。離乳食をすすめている途中でも、新しいものに挑戦するのをひかえる程度でいいと思います。

そうは言っても、極端に脂っこいもの(ハンバーガーとかフライドチキンとかトンカツとかラーメンとか)や香辛料の多いもの(カレーとか唐辛子系)はやめておいたほうがいいと思いますが。

もちろん、ものすごくおなかが痛い、なんてときは、食べる前にまず病院へ。